受話器から聞こえる懐かしい声は
私が十数年前ヘルパーとして初めて訪問した
Nさんのご主人
奥様は現在施設に入所中
「妻は今も花と歌が好きで
毎日私が音楽を聞かせてやっています」
坂の上にある施設に通い
部屋に花を飾り、Nさんに音楽を聞かせ
数時間を一緒に過ごす
それがご主人の日課となっている
「顔もろくに見ずに見合い結婚しました
仕事ばかり、転勤ばかりで
色々と苦労をかけました
今やっとゆっくり過ごせるんです
なかなか幸せですよ」
人それぞれの物語がある
人と関わることは
色々な小説を読んでいるようで楽しい
私は将来どんな物語を
語っているのだろう…?
財産となるような年を重ねていきたいものです
(くにくさ居宅 梶原)