介護保険法改正目前の年度末、何かと忙しい中、ふと思い出したことがあったので、その内容を簡単に載せてみようと思います。
車椅子のフットレスト(足置き台)に片足を乗せづらそうにしている利用者様がいました。
そこに何か違和感を感じたので、お願いし、支援させてもらいました。
支援は、その方の膝裏を支えフットレストまで足を誘導する、というごく簡単な身体介助
まず、ふくらはぎに触れたとき、その筋肉の硬さに驚きました
そのまま、ゆっくりと足を誘導したのですが、足全体が緊張しているようで、上手くフットレストに足を置くことができませんでした。
本人は何も言われません。しかし、
「辛い!」
と、その足がわたしに不満を訴えているようでした
相手に触れたことで、それを知ることができました
「身体介助」・・・そこには言葉にはないメッセージがあるのです
この相手(足)からのメッセージを受け、車椅子に座った状態をきちんと評価しました。
結果、わたしにメッセージを伝えてきた足が、もう一方の足より短い状態でした
早速、メッセージを伝えてきた足に対し、満足度の向上を図りました
(それぞれの足にとって、適した高さでフットレストを調整)
次の日、フットレストに足を誘導してみると、
調節前より足は緊張しておらず、スムースにフットレストに足を乗せることができました
「少し楽になった。ありがとう!」
と、その足に言ってもらえた気がしました
身体介助を通して、利用者様とコミュニケーションが図れた1つのケースでした。
コミュニケーションと言えば・・・あと会では、
スウェーデンでの現地研修やスウェーデン講師による研修などを通して、福祉先進国のケアを学ぶ機会が多くあります。その中でコミュニケーションについて学んだことがあります。
わたしも共感できたことなのですが、スウェーデンでは「触れ合い」というコミュニケーションを多く取り入れ、それを重要にしていています。
意識しなければならないこと、それは・・・・
わたしたちが行っている身体介助の支援、それも「触れ合い」だということ
その「触れ合い」がコミュニケーションであることを、忙しさを理由に忘れてはならないことです。
「身体介助はコミュニケーション!」、
移乗・移動を介助支援するとき、
相手に触れたときに伝わるメッセージ、
相手に触れたときに伝わってくるメッセージ
を意識しながら、今日も仕事に励んでいます。
(ふかわ・くにくさ 野村)