先日、職員研修でターミナルケアを学ぶ機会がありました
そのとき、ふと思い出したことがあります
あと会では、スウェーデンとの交流を行っています
その中で、たくさん学んできたものの一つに、タクティール・タッチがあります
タクティール・タッチとは、「肌を優しく撫でる」というような意味ですが、その効果は、一言でいえば「安心」をもたらします
そのタクティール・タッチを教えるスウェーデン講師がターミナルケアについて、次のことを言っていました
「その人を看取るときの感覚は、
その人がわたしたちの知らない場所へ向かう船に乗り、
その船が港を離れ、海のかなたへ行ってしまうまで、
港で見送る人の気持ちに似ている」
そのとき、わたしが感じたこと、
その人がその船に乗るまでの支援をどのようにしていくかが重要であるということ
そのとき、わたしが「こうありたい」と思ったこと、
その人がまさにその船に乗り込もうとされたとき、そこに言葉はないかもしれませんが、その人と手を取り合って、あいさつを交わしたい
その人が船に乗り込もうとされるとき、どんなサインがあるのでしょうか
そのサインは言葉や表情だけではないかもしれません
そのサインを見逃さないようにするためには、五感でその人のことを分かろうとする必要があります
わたしがタクティール・タッチを受けたり、行ったりした経験から、特に肌と肌を通してのかかわりから分かることが多いように思います
筋肉の緊張や弛緩・・・、肌の張りやむくみ・・・、肌のあたたかさ・冷たさ・・・、脈の状態・・・など多くのことを知ることができます
ターミナル・ケアについての職員研修を受けたことで、
スタッフの皆が、その人との肌の触れ合いが重要であることを意識していきながら、その人に寄り添えるターミナル・ケアを行っていけるようになればと思います。
ふかわ・くにくさ 野村